コラージュで思い巡らそう!

メンタルヘルスのためのコラージュ。モゴローと一緒に楽しみましょう。

コラージュとの出会い④

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前回、インターネット講座で初めてコラージュを作った話しをしました。実はそこへ行く前に、もうひとつ興味深いことが起こっていたお話をします。

コラージュを味わうための記録用紙がありました。作ってみた感想や貼り付けた写真の意図などを書き込むのですが、その最後に「あえての意味、こじつけの意味を考えるとしたら?」という項目があったのです。そこで私は、貼った写真に対して、自分では全く思いも感じることもなかったイメージを、敢えて無理やりに(笑)考えてみました。
橋の上に座っている女性。シャワーを浴びた後のような清々しさを感じます。自然体ながらおしゃれに見えます。顔はこちらを向いていないのでわかりませんが、振り向くと美しいすてきな女性に思えてきました。
5つのお鍋。しっかりしていて品が良さそうに見えます。私はこの時知らなかったのですが、実際このお鍋、けっこう上等なお鍋ですよね。カード会社の冊子なので上質な物の宣伝が多いです。
とまぁ、こうしてこじつけの意味を思い浮かべながら写真を見ていました。すると、ネガティヴな思いだけで選んだ写真が、そうでもないように見える、見えてくるような…、そんな気持ちが少ししたのです。このとき起こった微かな感覚はとても新鮮で今でも覚えています。

さて、こんなことがありながらコラージュの写真をオンラインで送りました。私は受講生の中で最初の投稿者でした。そのタイミングが良かったのか、講師の藤掛先生からすぐにコメントが入りました。藤掛先生は受講生のコメントを見守る感じで、そういつもいつもコメントされる訳ではなかったのですが、この時は皆のコメントを促す意味もあったのだと思います。とにかく先生からのコメントがうれしかったのを覚えています。

先生は解釈ではなく第一印象としてコメントして下さいました。
「穏やかで内省的な雰囲気のある作品であること。カラフルな鍋と女性の服が白いことから、何色の自分になろうか、あるいはいろいろな色の自分になってきたなあ、と思っている。」
「川にかかる橋と舟。どちらも川のこちら岸と向こう岸をつなげるもの。こちらとむこうの岸は、別の風景。橋や舟には人生のある段階から、別のある段階に移行するイメージを感じる。」というものでした。
私は女性がじっと座っていることだけに囚われて、川や橋といったことには全く目を向けていなかったので、このコメントを聞いて、え?と思いました。そして、そう言われて見ると、この写真、なかなかいい写真じゃないか、味わい深いなぁと思えてきたのでした。笑

そのうち、他の受講生からのコメントが入りました。このお鍋が風車に見えるというのがありました。これにも私はハッとしました。私は、代わり映えしない「動かない」イメージだったのに、逆の「動く」イメージが入ってきたのです。他にも、鍋は料理器具として使われつつ待っている、娘からは「どんな色にもなれるってことじゃない」と言われました。

自分では思い浮かばなかった印象のコメントを次々ともらいながら1週間何度も眺めているうちに、この女性はただ動こうとしていないのではなく、じっくり考えながら時を待っているような、これからのことを期待しているように見えてきたのです。
お鍋も必要に応じて使い分けられるという前向きの印象に変っていったのでした。

次回は1週間のコラージュ課題で感じたことのまとめです。
コラージュとの出会い⑤ - コラージュで思い巡らそう! (hatenadiary.com)