モゴローは「人生後半戦の…更に後半戦」だ。何歳くらいから後半戦なのでしょうね。いま人生が長くなり、社会が複雑化して、人が大人になる年齢が遅くなっているらしい。いったん社会に出てから再度学校に行き直したりなど、どんな職業に就くか落ち着くのに30歳くらいまでかかるのも珍しくない。子どもから大人になるまでのことはけっこう気にかけられるけど、その後どうなるかについては放っておかれる。だって大人だもの。
高校時代、ある先生が「人は死に向かって生きているのよ。1日1日残りの人生は短くなっているのよ。」と言った。定年前の先生には実感だったのだろう。私は子どもが生まれたときに「人生の半分が終わった」と思った。初めて、生きてきた人生より残りの人生の方が短いかもしれないと感じた。ちょうどそういう年齢だったこともあるだろう。育児を通して、自分の人生なのに主人公が自分じゃなくなったと思った。自分の人生なのに自分の思い通りにならないのだ。しかし、子どもが高校に入った頃から、自分の人生がまた自分に戻ってきたように思った。戻ったと言っても思い通りにならないのは同じで、でも、それは奪われて思い通りにならないのではなく、何かに向かうために思い通りにならないような、そんな感じです。みなさんはいかがですか。
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藤掛明先生から学んで、私の心に留まっている言葉を「藤掛先生語録」としてまとめ、1ヵ月間の日めくりカレンダーにしました。コラージュや短歌や文章は私の連想に過ぎませんが楽しんでいただけるとうれしいです。
※写真はAC・Pixabay・unsplash素材から使用しています。