
私という人間の、私の人生の物語は誰が書くのだろう。私の人生だから私が書くのだろうか。それとも私を超えた存在が書くのか。読むのは誰?私?それとも誰かなのだろうか。物語の終結は私が人生を終えたときなのだろうか。地上の人間は時間を取り戻すことができない。過去に起こったこと、昨日の出来事さえも、なかったことにもやり直すこともできない。でも、その意味を思い巡らすこと、意味づけを新しくすることは後になればなるほどできるのじゃないかと思う。だって、過去はいつも「今」が見ているものだから。生きていれば「今」がどんどん重なっていく。「今」が見る「過去」もどんどん広がってどんどん深まっていくのだろう。ああ、あの出来事は伏線だったんだ、ああ、次に起こることの比喩だったんだ、今日そう思っていること自体、一年後には新しい意味を成しているのかもしれない。物語は読んでいくものなのか書いていくものなのか。私の人生の物語は書きかえられていく。そうしていくうちに、大きな揺るぎない物語に書き込まれた自分を、私は読んで、そして、その自分を生きるのだ。
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藤掛明先生から学んで、私の心に留まっている言葉を「藤掛先生語録」としてまとめ、1ヵ月間の日めくりカレンダーにしました。コラージュや短歌や文章は私の連想に過ぎませんが楽しんでいただけるとうれしいです。
※写真はAC・Pixabay・unsplash素材より。